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2004.05.01

死ぬ前に何を食べるか

いわゆる、「最後の晩餐」に、何を食べたいと思うのだろう。

先日、仕事で取材したおばあさんが、こんな話をしてくれた。
その人のお舅さんが、病気で寝込んでしまった。何か食べたいものは、と聞くと、“小豆の粥”が食べたいと言った。この小豆の粥というのは、小正月に食される小豆を炊き込んだお米のお粥のことではなく、サツマイモを煮た所へ、煎った小豆の粉を入れて煮る、という、いわばその地域で昔食べられていた郷土料理だ。ところが、その当時はもう畑で小豆を作るのをやめていたので、小豆が手に入らない。いろいろな人に聞いて回って、やっとの思いで小豆を手に入れ、粥を作って食べさせたら、お舅さんはそれから1週間ほどして亡くなったという。

いまわの際に思い出すほど、印象深い食べ物を私は食べただろうか。日々、何でも美味しく食べてはいるけれど、何か一つでも、死ぬ前に食べたくなるものがあるだろうか。

死ぬ前に、好きだった小豆の粥を所望し、食べることができたおじいさんは幸せ者で、食べたいものを思い浮かべることもできない私は、ひどく不幸な気がする。

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